入籍・夫婦別姓について

結婚式をあげても法律上の夫婦とはなりません。入籍によってはじめて婚姻者ならではの権利などが得られます。



・法律上は入籍してはじめて夫婦に
・法律上の結婚によって認められる権利は
 「姓の変更」「相続権」「子の摘出姓」など
・夫婦別姓は法律上は結婚ではない
 (国際結婚の場合は、その限りではない)




入籍とは、婚姻届によって戸籍に入る(戸籍をつくる)ということです。結婚式はあくまでも社会生活上の儀式ですから、結婚式をあげても入籍の届け出をしなければ、法律上の夫婦としては認められないのです。また、何十年も一緒に暮らしていても、入籍をしていなければ内縁の配偶者としかみなされません。内縁の配偶者には、お互いの相続権がなく、子どもができた場合も、夫婦間の子(摘出子)とは認められません。



入籍をすることによって法律上の夫婦になると、夫または妻の氏(姓)称して新しい戸籍をつくること、夫婦がお互いに財産の相続をすることなどが権利として与えられます。また、婚姻中に妻が妊娠した場合は、通常それが夫との間にできた子であるとして、生まれてくる子は摘出子として認められます。未成年者が結婚した場合は成年に達したものとみなされ、親の同意がなくても契約などの民法上の行為ができるようになります。(選挙権などの行政権は得られません)いっぽうで夫婦は同居し、互いに協力し助け合わなければならにという義務も定められていますが、これは夫婦として当然のことでしょう。




これまで、入籍は結婚式の当日もしくは前後に届け出るのが一般的でしたが、最近は入籍して、いっしょに暮らしはじめてから、時機をみて挙式をするというカップルも多くなっています。実際の生活を考えれば、新居に移り、引越しの荷物も片づけてから結婚式をするほうが、落ち着いて準備ができ、さまざまな手配もしやすく、お互いの理解も深まります。また、式のあと続いて新婚旅行ともなればシーズンや休暇の都合を合わせるにもよいかもしれません。ただし、そのようなスタイルは親族にむずかしい顔をされることもあるので、十分な説明をして、よく理解してもらう必要です。




結婚は本来、憲法二十四条に定める「両性の合意のみ」によって成立するものです。つまり、もっとも尊重されるべきものはお互いの意思。とはいえ、現在日本において法律上の夫婦として認められるためには、民法に定める婚姻の要件と戸籍法にしたがった婚姻届の提出と受理(入籍)が必要となります。お互いのアイデンティティを尊重するものとして最近話題の、夫婦それぞれの姓を名のる「夫婦別姓」についてはまだ法律上は認められていません。ただし、通称として旧姓を認知してもらう方法はあるので、女性が結婚後も旧姓のまま働きたいときなどは、勤務先に説明して、これまでどおりの姓を名のることができるよう、配慮してもらいます。ただし、給与や保険などの手続きには戸籍上の姓が使われます。また、どうしても戸籍上の姓を変えたくないときは、戸籍を入れないで事実上の結婚生活をおくる「事実婚」をすることができます。事実婚は内縁の関係となりますが、そのような場合でも、ふたりの生活を保障するために、年金や健康保険などは正式な配偶者と同様にあつかわれることになっています。事実婚で子どもが生まれた場合、子どもは母後方の戸籍に入りますが、父親の認知届によって父親との親子関係が認められれば、父親の姓を名のることもできるようになります。



Q 夫が妻の姓になることはできる?
A 旧姓は、結婚によって「家」を継ぐという意味が強かったため、結婚=家の戸籍に入るということでした。しかし、いまは夫婦いずれかの姓を選び、新しい戸籍をつくることができます。もちろん、妻の姓でもOK。この場合、養子本来の意味をとは異なります。婚姻届提出後の変更はむずかしいので、どちらかの姓を名のるのかは話合いましょう。



用紙の左側をふたりで書く。それぞれ自筆で記入し、署名押印を
用紙の右側は、婚姻の保証人が記入する。成人ふたりにお願いし著名押印してもらう。
だれが→本人または代理人が届ける
どこへ→夫が妻の本籍地または住所地の役所
期限→とくになし
届け出に必要なもの→届け出先が本籍地でない場合は戸籍謄(抄)本、結婚するふたりの印鑑
受付時間→24時間365日