一言に言っても仲人自体に色々なケースがあります。最も伝統的な仲人であれば、結納で両家の往復をするところからスタート。新郎の家に行って結納品を預かり、新婦の家にそれを渡す・・・という重大任務を担います。最近の略式結納では仲人を立てない場合が多いですが、略式結納での仲人をお願いされた場合は、同席して口上を述べたり進行を担当したりします。
結納に仲人を呼ばない、もしくは結納すらしないというカップルに仲人を依頼された場合は、媒酌人のことだと考えればいいでしょう。結婚式当日に新郎新婦の結婚の証人として参加し、挨拶や乾杯の音頭を取ったり、媒酌人夫人がお色直しに付き添ったりと、結婚式の全体的な世話人として活躍することになります。
ひとことに「仲人」をお願いするといっても、どのケースに当てはまるかによって大変さや求められる役割の大小も変わって来ます。仲人は特別な事情がなければ断らないのがマナーですが、一旦引き受けておいて断るのはもっと最悪のパターンなので、引き受ける前によく確認しましょう。
仲人の条件は、新郎新婦より年長であり、夫婦関係が上手くいっている夫婦、そして新郎新婦とこれからもおつきあいがある方になりますので、実は「1歳年上」でも仲人が務まらないというわけでもないんです。とはいえ、本来は先生や職場の上司、親戚のいずれかにお願いするのが慣例だったので、結局は新郎新婦よりかなり年長になるケースが多かったのです。
しかし、最近は、ベンチャー企業で上司が年下だったり、親戚関係が昔にくらべて希薄になりつつあること等から、親しい先輩にお願いするというケースも出て来ており、数歳しか年齢の変わらない、比較的若い目上の方にお願いすることも増えてきました。
ただし、仲人は結納や結婚式においては非常に重要な役割であり、品格ある人物である必要がありますので、若い方は心して引き受けるべきでしょう。また、新郎新婦だけでなく新郎新婦の両親との打ち合わせ等もありますので、両家の両親の理解を得る必要もあります。
結納や式でも重大任務な仲人ですが、実は式が終わってからの長〜い役割を期待されています。それは、良きアドバイザーになること。未熟な新郎新婦に対して、先輩として夫婦生活や社会生活の相談に乗ってあげるのが仲人の仕事だともされてきました。
結婚式がつつがなく終われば仲人の仕事も終わり、ではなくて、そこからのおつきあいも期待されているのが仲人。二人の結婚を心から祝福し、末永くよい夫婦として幸福に生活できるよう、見守ってあげる気持ちで引き受けましょう。