両親が老婆心で写真を持ってくる、というお見合いのイメージが伝統的なお見合いの形です。最近では、身近な人からの紹介よりも、結婚相談所に当人同士が登録する形が増えていますが、もともとは、「世話人」と呼ばれる、結婚を望む方々に関して男女ともに人脈の多い人が、仲介役としての役割を果たしていました。
まず、お見合いを望む男女は「釣書」と呼ばれるプロフィールを記入します。自分の身の上に写真を添えて、仲介人に紹介を依頼します。仲介人はいくつかの釣書を管理しており、その中から相応しそうな異性をピックアップしてくれます。
仲介人から、推薦する異性の釣書を貰ったら、お見合いを希望するかしないかの意思を確認し、双方がお見合いを望めば、実際に顔合わせとなります。顔合わせが決まると、仲介人に紹介料が支払われることとなります。
そのかわりに、初めての顔合わせの際は、仲介人が同席してくれます。最初の顔合わせで、双方が交際の継続を望めば、交際がスタートします。もちろん、気に入らなかったら、仲介人を介して断りの連絡を入れて貰えば大丈夫です。
その後は基本的には自由交際となりますが、実際に結婚までこぎつけた場合は、仲介人に更に御礼をお支払する必要があることも多いため、継続して交際の状況を報告する必要があるでしょう。
過去には、仲介人が自身の人脈を中心に行っていたお見合いですが、現代はインターネットの普及により、仲介人の役割を果たす結婚相談所は膨大な人数のデータベースを保持しています。また、仲介人の感覚に頼る部分の多かったマッチングに関しても、現在では登録されたデータベースの中から、年収や職歴、体型等の現在のスペックから、将来子供が欲しいか、家はどうしていきたいか、共働きを望むか等の条件から検索し、マッチングする人を紹介する形へと推移しています。
そのため、男女ともに、予めある程度自分の希望に合った相手と出逢える確率が高まっており、シビアに異性をチェックするようになっているようです。また、過去には両親や周囲の方から勧められて世話人の紹介にあずかる男女が多かったのと比較し、現在は登録者自らが結婚を望み、能動的に相手を探す「婚活」のツールとして、結婚紹介所を利用しているのも大きな特徴と言えるでしょう。
上記のように、能動的に活動を行う男女が増えたのに比例して、様々な形のお見合いが増えています。登録形式の結婚相談所のような、旧来のお見合いの形式をそのまま継承しているものもありますが、お見合いパーティーや街コンなど、飲み会のようなノリで気軽に参加できて、自然な出逢いを期待できるものや、お見合いを兼ねた、共通の趣味を持つ人たちの会合が定期的に開かれる等、インターネットを活用した新しいお見合いのサービスが多数存在します。
過去のように、世話人への気遣いや親へのうしろめたさも薄れてきている時代。妥協せず納得いくまで婚活ができるステージが沢山用意されています。紹介された人に疑問がある、不安があるのに焦って無理やり話を進める、というのは望ましくありません。双方の意思をきっちり確認した上で、結婚までの話を進めていきましょう!