さて、緊張のお見合い当日です。最初の数分間の印象は、その後の数時間を左右する可能性もありますので、必ず出会い頭は笑顔で接しましょう。ポイントは、気さくさを兼ね備えながらも、きちんと相手を敬うという両方を演出すること。あまりにも堅苦しすぎても楽しい交際がイメージできませんが、あまりにも慣れ慣れしいと、相手に失礼な印象を持たれてしまいます。
顔を合わせたら、まずは名乗ります。「○○さん、△△といいます。初めまして」そして、その次は必ず御礼の言葉で続けましょう。「本日はありがとうございます。お逢いできて嬉しいです」タメ口はもちろんNGですが、「本日はご遠方よりお越し下さいまして、誠に有難うございます」という定型的な話し方には、壁を感じてしまいます。
丁寧でありながら話しやすさを感じさせる丁度良い塩梅が好まれます。お見合い初日では、互いが気に入って2人きりになるチャンスがあっても、あまり素を見せすぎたり、フランクになりすぎないように、出逢い頭の丁寧さは最後まで維持してお話をするのが好ましいでしょう。
待ち合わせを行って、喫茶店等お話ができる場所に全員で向かいます。時間はどれだけつまらなくても、仲介者も交えて1時間は会話をするのがマナーです。会話が盛り上がっているようであれば2時間程度お話をしても構いませんが、仲介者をそれ以上拘束したり、一つのお店で3時間以上粘るのはあまりよくありません。
2時間を過ぎたところで一旦会計を済ませ、解散とします。仲介者はこのタイミングで、男女を二人きりにしてあげるように心を配りましょう。互いに気が合いそうなら、男性から女性に「この後まだお時間が許すようであれば、少しお散歩でも如何ですか」と誘ってみましょう。
繁華街であればお買い物でも構いません。ここで合意が得られれば、仲介者は先に帰路につき、2人だけの時間を楽しみます。ただし、お見合いの初回では、あまり遅い時間まで連れまわすことのないようにしましょう。
話題選びの前に大切なことは、お相手の「研究」です。お見合い前日までに、相手のプロフィールには徹底的に目を通しておきましょう。仕事の話、住んでいる場所や出身地の話題、趣味の話、好きな食べ物の話等、見つけようと思えばいくらでも話題を掘り出すことができます。理想的なのは共通の趣味や同じ地元の話など、共感ベースでお話ができれば、大変に盛り上がります。
ただし、取り立てて共通の話題がなさそうな時も、お仕事について「その業界ではどんなトレンドがあるのですか」「その趣味の世界ではどんな楽しさがあるのですか」「うちの地元はこうですが、そちらはどんな文化なのですか」と、質問をどんどん投げかけることで、会話を膨らませることができます。
どれだけ会話が続かなくても、マナーとして最低1時間はお話をするのが暗黙の決まり。沈黙の中きまずい時間が流れないように、事前に話のタネにできそうな話題の引き出しを増やして挑みましょう。ただし、初回の顔合わせでは、あくまで雰囲気を掴むだけに留めましょう。
「年収はいくら?」「貯金はいくら?」等と、お財布目当てをにおわせる質問や、「今まで何人の人と付き合ったの?」「前の恋人と別れた理由は?」といったプライベートに踏み込みすぎた質問、「他に何人の人と逢った?」といった、婚活の状況に口を挟むような質問も失礼にあたります。また、自分の結婚観や相手に求める条件等をいきなり話すのもNG。あくまで結婚から離れて、どのような人なのかを知る場としてお見合いを活用しましょう。